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色絵
第4章 色付け
先生の声すら遠くに聞こえる。立ち上がった先生が近づいてくるとわかっているのに、先生の声が遠ざかっていく。
「貴女は純真なのに色絵を描いて欲しいなどという。
己の鋭い観察力を持って我が身に立ち向かえば、こうなると想像出来なかったのでしょうか…
でも、もう扉は拓かれてしまった。貴女にも僕にも止められない。」
先生が真後ろに立っていることがかろうじて理解できる。
体が云うことを訊かず金縛りにあったようだった。
「もう貴女は自力で歩くことも腰掛けることも出来ないのでしょう?」
先生が黄色の着物の袖を抜き、ワタシから剥いで衣紋掛けに通した。
同じ姿勢を続け体は強張っていた。でもそれだけでなく、先生の視線に犯され続けた体は自ら情欲を発することで疲労してしまったのだ。
「力を抜いて…」
真後ろにいる先生の声が遠くに聞こえる。
フゥー…
襟足に暖かい息が吹き掛けられる。そこから全身に頭の先から足先、手指の一本一本まで快感の雷が貫いた。
ガクッ…
体の力が抜けて、視界が真っ暗になり、ワタシは意識を失った。