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色絵
第5章 蕾
「上を見て。」
先生が足の方に回り膝の辺りで着物を引っ張る。着物がはだけて、胸の谷間から臍が露になる。
「あっ…」
膝の部分は着物が無くなり、襦袢も重なっていない。
腰巻きが見えてしまっていた。うっすらと茂みの影が映っているようにも思う。
先生は窓側に離れて背を向けていた。
「右手で牡丹の着物の襟下を摘まんで、恥ずかしい処を隠しなさい。」
ワタシは着物と手で茂みの辺りを隠した。
先生が後ろから白い着物だけになっている左肩に紫の帯を掛け、そこから無造作に帯を投げた。
パシン…
帯が左ももと右膝を打ち床に落ちる。
帯があたったところがピリッと痺れ、体が反射的に震えた…
んっ…
声も出てしまう。
帯や裾の微調整をしながら先生が前にくる。
「脚をもう少し開いて…」
モジモジと開く。
「腰巻きが見えてしまっているところは捲るから。」
足袋の位置を直され、膝下の腰巻きが内側に折り込まれる。
「牡丹の華が開いてとても綺麗ですよ。」
フッと笑みを浮かべ先生が座る。
2メートルも離れていない。