この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
色絵
第6章 開花
1時間余りで下絵は完成した。着物の入り組みが少ない分描きやすかった。
「休憩にしましょうか。」
一時も僕から視線を反らさなかった貴女は疲れているだろう。
括られたままの貴女に苺を食べさせた。
噎せて果汁が溢れる。
指でなぞって口に戻す。
貴女はその指を口に含んだ。
「誘惑に負けてもいいですか?」
見上げる貴女の唇に自分の唇を重ねた。
貴女と苺の香りが混じって甘酸っぱい。驚いた表情ではあったが、貴女は僕を受け入れた。
苺をもう1つ口に入れて、貴女の唇を食む。唇が薄く開かれたので舌を侵入させた。
トロンとした瞳が瞼で隠されていった。
貴女の舌と苺を転がして味わう。
味覚も絵には表現できないな…そんなことを思いながら、たっぷり堪能した。
唇を離すと貴女は苺を咀嚼する。
もう一度口づけし、舌をかき混ぜる。
舌を絡め、吸いとり潰れた苺を絡めとった。
フッぁ…
苺を与えては咀嚼させ分けあいながら食べる。貴女はずっと目を閉じたままだった。
「もう少しですから頑張りましょう。」
僕は絵に戻った。貴女は物欲しそうな虚ろな目で僕を見ていた。