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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第14章 第三話 【観玉寺の廃妃】 祭りの夜
その時。ウォホーンとわざとらしい咳払いが聞こえた。明姫だけでなく老婆も倅も愕いて顔を上げた。
「―チ」
明姫は思わず言いかけて、口を押さえた。
ユンの今夜の出で立ちは薄紅梅色のパジチョゴリだ。今の季節、境内には所々、梅の樹が盛りと花をつけている。まるで季節に合わせたかのような華やかな色合いが彼の美男ぶりを際立たせていた。
「お婆どの。残念ながら、この者は私の妻です。ゆえに、幾らお婆どのの大切な息子さんとはいえ、妻を譲ることはできません」
大真面目な顔で言うユンに、老婆が眼を白黒させた。
「―チ」
明姫は思わず言いかけて、口を押さえた。
ユンの今夜の出で立ちは薄紅梅色のパジチョゴリだ。今の季節、境内には所々、梅の樹が盛りと花をつけている。まるで季節に合わせたかのような華やかな色合いが彼の美男ぶりを際立たせていた。
「お婆どの。残念ながら、この者は私の妻です。ゆえに、幾らお婆どのの大切な息子さんとはいえ、妻を譲ることはできません」
大真面目な顔で言うユンに、老婆が眼を白黒させた。