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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第14章 第三話 【観玉寺の廃妃】 祭りの夜
「殿下」
思いもよらぬ言葉に愕いていると、〝シッ〟とユンの指が明姫の唇に押し当てられた。
「まさかとは思うが、誰が聞いているか判らん。ここでは殿下とは呼ばぬように」
「申し訳ありません。配慮が足りませんでした」
素直に詫びる明姫に、ユンが眉を下げる。
「どれ、私も何か願い事を書いてみるとしよう」
灯籠は本堂の回廊沿いの軒下にズラリと吊られている。しかし、もう遅い時間のため、既にたくさんの灯籠が参詣人によって持ち去られていた。
思いもよらぬ言葉に愕いていると、〝シッ〟とユンの指が明姫の唇に押し当てられた。
「まさかとは思うが、誰が聞いているか判らん。ここでは殿下とは呼ばぬように」
「申し訳ありません。配慮が足りませんでした」
素直に詫びる明姫に、ユンが眉を下げる。
「どれ、私も何か願い事を書いてみるとしよう」
灯籠は本堂の回廊沿いの軒下にズラリと吊られている。しかし、もう遅い時間のため、既にたくさんの灯籠が参詣人によって持ち去られていた。