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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第14章 第三話 【観玉寺の廃妃】 祭りの夜
「よし、おじちゃんがちゃんとそなたの願いを書いてやるからな」
ユンは子ども好きらしく、上機嫌で女の子に話しかけた。
「あのね。私のお父さんがもう長い間、家に帰ってこないの」
女の子は小さな口を懸命に動かして訴える。ユンはいちいち頷きながら耳を傾けていたが、やがて、その整った顔が次第に曇っていった。また、傍らで話を聞く明姫の心も重く淀んだ。
女の子の名前はソリ、五歳になるという。母親と二人でふもとの村に暮らしていた。父は小作農であったが、数年前の飢饉続きで土地を地主に返さなければならなくなり、一家は生きていく目処を失った。
ユンは子ども好きらしく、上機嫌で女の子に話しかけた。
「あのね。私のお父さんがもう長い間、家に帰ってこないの」
女の子は小さな口を懸命に動かして訴える。ユンはいちいち頷きながら耳を傾けていたが、やがて、その整った顔が次第に曇っていった。また、傍らで話を聞く明姫の心も重く淀んだ。
女の子の名前はソリ、五歳になるという。母親と二人でふもとの村に暮らしていた。父は小作農であったが、数年前の飢饉続きで土地を地主に返さなければならなくなり、一家は生きていく目処を失った。