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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第14章 第三話 【観玉寺の廃妃】  祭りの夜
 救いを求めるように周囲を見回しても、既に村人の姿はどこにも見当たらない。僧たちもそれぞれ僧坊へと引き上げていったようであった。夜も更けて、流石に彼らも帰っていったらしい。
 三月の半ばといえども、夜はまだ冷える。夜陰にはかすかな梅の香が混じっていたが、それを堪能するようなゆとりはなかった。
「誰に助けを求めているつもりだ?」
 明姫が黙り込んでいることが、余計にユンの心を苛ただせているのだ。
 明姫の瞳に涙が滲んだ。池の水面に漂う灯籠も大方は灯りが消えて、人影のない境内は先刻までの賑わいが嘘のように淋しいものだった。
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