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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第15章 第三話 【観玉寺の廃妃】 再生
孫維は溜息をついて、息子を見つめた。
―そなたもまだ若いな。殿下のお気持ちは淑媛さまが都を離れられる前から、変わってはおらぬ。だが、周囲の状況がそれを許さないのだ。そのようなことも判らないで、殿下のお側でご用が務まるのか?
―されば、尚更。
―愚か者めが。それができれば、私だとて、とうにやっておる。殿下もまた、できないからこそ悩んでおられるのではないか。淑媛さまは建前上、殿下の逆鱗に触れ、廃妃となり宮殿を追放されたことになっている。そのお方を再び宮殿にお迎えするとなれば、やはり、それ相応の理由、大義名分が必要なのだ。
―大義名分ですか。
維俊の問いかけに、孫維は言葉は返さず、頷くことで応えたのだった。
―そなたもまだ若いな。殿下のお気持ちは淑媛さまが都を離れられる前から、変わってはおらぬ。だが、周囲の状況がそれを許さないのだ。そのようなことも判らないで、殿下のお側でご用が務まるのか?
―されば、尚更。
―愚か者めが。それができれば、私だとて、とうにやっておる。殿下もまた、できないからこそ悩んでおられるのではないか。淑媛さまは建前上、殿下の逆鱗に触れ、廃妃となり宮殿を追放されたことになっている。そのお方を再び宮殿にお迎えするとなれば、やはり、それ相応の理由、大義名分が必要なのだ。
―大義名分ですか。
維俊の問いかけに、孫維は言葉は返さず、頷くことで応えたのだった。