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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第15章 第三話 【観玉寺の廃妃】 再生
小花はユンにも懐いていて、彼を認めると、ワンワンと歓んでじゃれついた。すっかり不機嫌になっているユンはおざなりに撫でてやっただけで、構ってやろうともしない。あれでは犬にまで嫉妬しているようで、当人のユンが真剣なだけに笑える光景ではあるのだが、明姫にしては嬉しいような、くすぐったいような気持ちだった。
ユンのあのときの複雑そうな表情を思い出すと、どうしても笑ってしまいそうになる。
その想いが出てしまったのか、輿の横の引き戸越しに覗いたヒャンダンが不思議顔そうな顔で訊いてくる。
「いかがあそばされました?」
明姫は、ううんと首を振る。皆の手前、澄ました表情を取り繕った。
ユンのあのときの複雑そうな表情を思い出すと、どうしても笑ってしまいそうになる。
その想いが出てしまったのか、輿の横の引き戸越しに覗いたヒャンダンが不思議顔そうな顔で訊いてくる。
「いかがあそばされました?」
明姫は、ううんと首を振る。皆の手前、澄ました表情を取り繕った。