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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第2章 第一話 【桜草】 戸惑いと、ときめきと
でも、本当にそれだけなのだろうか。かつての親友の残した家族だから? 再びソギョンのユンに向けたまなざしの熱さを思い出す。今、ソギョンは未亡人なのだ。彼女とユンが愛し合ったところで、何の問題もない。
ユンが腕に抱えきれないほどの桜草を持って町外れのあの家を訪ねるのは、ソギョンに逢いたいからではないのか。
明姫の苦悶に気づくこともなく、ユンはやりきれないといった風に呟いた。
「あれほど止めろと止めたのに、ソンドンは」
明姫はユンの様子が尋常でないことに初めて気づいた。
ソンドンは死んだ。一体、何が原因なのだろう。ユンの今の様子では、普通の死に方でないことは想像できた。が、こんな状態の彼にソンドンの死因について訊ねられるものではない。
ユンが腕に抱えきれないほどの桜草を持って町外れのあの家を訪ねるのは、ソギョンに逢いたいからではないのか。
明姫の苦悶に気づくこともなく、ユンはやりきれないといった風に呟いた。
「あれほど止めろと止めたのに、ソンドンは」
明姫はユンの様子が尋常でないことに初めて気づいた。
ソンドンは死んだ。一体、何が原因なのだろう。ユンの今の様子では、普通の死に方でないことは想像できた。が、こんな状態の彼にソンドンの死因について訊ねられるものではない。