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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第16章 第四話 【永遠の少女】 愛しき者
表の宮殿が国王の公邸であるなら、後宮はいわば私邸に当たる。即ち、ユンにとって後宮は家庭そのものなのだ。その家庭内での―しかも女同士の諍いを一つ一つ彼に告げたところで、何になろう。かえってユンの悩みの種を増やすだけだ。
「家庭が上手く治まってこそ、殿方もまた心置きなくお勤めに励むことができるというもの。後宮は広しといえども、殿下にとってはまさに家庭なのだから、根拠のない悪戯をお話ししたところで、殿下のお心を曇らせるだけよ」
「承知しました」
ヒャンダンも馬鹿ではない。明姫の言い分はもっともだとすぐに理解したはずだ。この忠実な女官の懸念はもっと別のところにあるはずだと、明姫もまたヒャンダンの心を正しく見抜いていた。
「家庭が上手く治まってこそ、殿方もまた心置きなくお勤めに励むことができるというもの。後宮は広しといえども、殿下にとってはまさに家庭なのだから、根拠のない悪戯をお話ししたところで、殿下のお心を曇らせるだけよ」
「承知しました」
ヒャンダンも馬鹿ではない。明姫の言い分はもっともだとすぐに理解したはずだ。この忠実な女官の懸念はもっと別のところにあるはずだと、明姫もまたヒャンダンの心を正しく見抜いていた。