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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第2章 第一話 【桜草】 戸惑いと、ときめきと
その上、中殿は領議政の娘で、領議政は伯父であると同時に舅にもなる。あいつらは血縁という見えない鎖で国王を縛り上げ、身動きさせないつもりなんだ。その中、中殿が王子を生めば、王をさっさと殺して襁褓の取れない赤児を王に立てるつもりだろう」
唾棄するような言い方に少し違和感を憶えないではなかったが、それよりも、明姫はユンの切迫した様子の方が心配だった。
「あなたの憤りも判るけれど、それは仕方のないことだと思うわ。今の国王殿下はまだお若くていらっしゃるもの。先の父王さまが薨去され、ご幼少で王位につかれたでしょう。即位されたとはいっても、大妃さまが垂簾の政を行われ、更にその背後で現実に政治を動かすのは領相大監だったから、国王殿下の出る幕はなかったはずよ。
唾棄するような言い方に少し違和感を憶えないではなかったが、それよりも、明姫はユンの切迫した様子の方が心配だった。
「あなたの憤りも判るけれど、それは仕方のないことだと思うわ。今の国王殿下はまだお若くていらっしゃるもの。先の父王さまが薨去され、ご幼少で王位につかれたでしょう。即位されたとはいっても、大妃さまが垂簾の政を行われ、更にその背後で現実に政治を動かすのは領相大監だったから、国王殿下の出る幕はなかったはずよ。