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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第20章 第四話 【永遠の少女】 永遠に理解し得ぬ二人
 黎明の空が頭上一杯にひろがっている。紫紺の空に徐々に橙色の筋が混じってくる。刻一刻と変わりゆく空の色は、長い夜が明け朝が近いことを告げていた。
 直宗はゆっくりと空を仰ぐ。薄紫の美しい夜明け前の空は、彼がかつてある少女に贈ったノリゲを思い出させた。
 王は視線をうつろわせ、庭園に群れ咲く牡丹の花たちを見つめる。そう、あの日も―あの少女と出逢った日もここで牡丹が鮮やかに咲いていた。
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