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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第3章 第一話【桜草】 逢いたくて~恋ごころ~
宮殿は広大で、国王の住まう大殿を初め、幾つもの殿舎が並び立っている。今、明姫は殿舎と殿舎を繋ぐ石畳の通路を歩いていた。極彩色の建物が春の陽射しに眩しく輝いている。
明姫はまた立ち止まり、脹ら脛をさすった。そっとチマの裾をめくると、痛々しく腫れ上がった脹ら脛が現れた。数日前、約束を破り門限を守れなかった罰として、崔尚宮に鞭でしこたま打たれた跡である。
―どうして、そなたは約束が守れぬのだ。私がどれほど心配したか、判っているのだろうな。
崔尚宮にしてみれば、明姫が一向に帰ってこないので、災難に巻き込まれたのかと心配したらしい。表沙汰にはしていないが、実の伯母と姪だけに、やはり案じてくれたのだろう。
明姫はまた立ち止まり、脹ら脛をさすった。そっとチマの裾をめくると、痛々しく腫れ上がった脹ら脛が現れた。数日前、約束を破り門限を守れなかった罰として、崔尚宮に鞭でしこたま打たれた跡である。
―どうして、そなたは約束が守れぬのだ。私がどれほど心配したか、判っているのだろうな。
崔尚宮にしてみれば、明姫が一向に帰ってこないので、災難に巻き込まれたのかと心配したらしい。表沙汰にはしていないが、実の伯母と姪だけに、やはり案じてくれたのだろう。