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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第23章 第二部【身代わりの王妃】 抜け殻
ユンは強く己れに言い聞かせ、忙しそうに行き交う通行人の間を縫い、ゆっくりと歩き始めた。
「旦那さま(ナーリ)、うちの饅頭は美味しいですよ、お一つ、いかがですか?」
ふいに脇から声をかけられ、ユンはつられるように声のした方を向いた。四十前後のふくよかな体格をした女が丸っこい顔に人の好さげな笑みをひろげている。
どうやら、蒸し饅頭を売る露店らしい。
「うちの饅頭は漢陽一だと評判が高くてねぇ、昼までに買わないと売れ切れちまいますよ」
どこまでが本気か判らないようなことを、さらりと真顔で言う。ユンは破顔して頷いた。
「どれ、一つ貰おうか」
「はい、ありがとうございます」
「旦那さま(ナーリ)、うちの饅頭は美味しいですよ、お一つ、いかがですか?」
ふいに脇から声をかけられ、ユンはつられるように声のした方を向いた。四十前後のふくよかな体格をした女が丸っこい顔に人の好さげな笑みをひろげている。
どうやら、蒸し饅頭を売る露店らしい。
「うちの饅頭は漢陽一だと評判が高くてねぇ、昼までに買わないと売れ切れちまいますよ」
どこまでが本気か判らないようなことを、さらりと真顔で言う。ユンは破顔して頷いた。
「どれ、一つ貰おうか」
「はい、ありがとうございます」