この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第23章 第二部【身代わりの王妃】 抜け殻
春花は今度もあっさりと頷く。ユンは春花の全身に眼を走らせ、微笑んだ。
「そなたのそのような姿は初めて見る。王妃の盛装も美しいが、今日の姿も可愛らしくて良いな」
今、春花はいかにも若妻らしい若草色のチョゴリと牡丹色の華やかなチマを纏っていた。どこから見ても、良家の若夫人といった風で、結い上げた黒髪が匂いやかな色香を漂わせている。
ユンはいつになく気持ちが高揚しているのを自分でも自覚していた。先刻、春花は筆屋で四本の筆を買い求めていた。その中の三本は父と兄、自分用で、残りは〝旦那さま〟のものだと言っていたのである。その筆を贈られる幸せな旦那さまが他ならぬ良人である自分だというのは判った。
「そなたのそのような姿は初めて見る。王妃の盛装も美しいが、今日の姿も可愛らしくて良いな」
今、春花はいかにも若妻らしい若草色のチョゴリと牡丹色の華やかなチマを纏っていた。どこから見ても、良家の若夫人といった風で、結い上げた黒髪が匂いやかな色香を漂わせている。
ユンはいつになく気持ちが高揚しているのを自分でも自覚していた。先刻、春花は筆屋で四本の筆を買い求めていた。その中の三本は父と兄、自分用で、残りは〝旦那さま〟のものだと言っていたのである。その筆を贈られる幸せな旦那さまが他ならぬ良人である自分だというのは判った。