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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第23章 第二部【身代わりの王妃】 抜け殻
ユンはふと思いついて、春花にそれとなく言った。
「これから寄ってみたいところがある。そなたも少し付き合ってくれ」
春花は少し訝しげな顔をしたものの、素直に頷き、ついてきた。二人はしばらく黙って並んで歩いた。かつて明姫と歩んで見た市の光景が眼前のものと重なる。
こうして春花と町並を眺めながら、彼は自分を取り巻く世界が漸く灰色の無味乾燥なものから、本来持つ鮮やかな色彩を取り戻したのを感じていた。
「これから寄ってみたいところがある。そなたも少し付き合ってくれ」
春花は少し訝しげな顔をしたものの、素直に頷き、ついてきた。二人はしばらく黙って並んで歩いた。かつて明姫と歩んで見た市の光景が眼前のものと重なる。
こうして春花と町並を眺めながら、彼は自分を取り巻く世界が漸く灰色の無味乾燥なものから、本来持つ鮮やかな色彩を取り戻したのを感じていた。