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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第24章 第二部【身代わりの王妃】 ひそやかな恋情 
 派手すぎない墨絵の山水画を描いた屏風が上座の座椅子(ポリヨ)の背後に飾られ、片隅の紫檀の小卓には鉢植えの紫陽花がさりげなく置かれていた。
 深い海色に染まった紫陽花が見た目も清々しく、心まで洗われるようだ。いや、この気持ちよく整えられた小さな屋敷そのものが訪れる人を心から憩わせるような、ゆったりとした雰囲気がある。
 このような雰囲気で育ったのなら、春花が聡明で人柄が控えめなのも頷ける。律儀なのは見かけだけではないらしい男は早速、ユンを上座に座らせ、自身は畏まって拝礼した。
「我が許氏の屋敷に国王殿下をお迎えできるとは、我が家門始まって以来の誉れでございます。真に聖恩の限りに存じまして―」
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