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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第24章 第二部【身代わりの王妃】 ひそやかな恋情
ユンは許氏の屋敷を辞してからの春花の沈み様が気になった。そっと横目で様子を窺うと、先刻の取り乱し様が嘘のように静まり返っている。それはまるで感情をどこかに置き忘れてきてしまったかのような感じだった。
このまま宮殿に帰ろうとは言おうに言えないでいると、春花は何を思ったか、一人で勝手に歩いていく。ユンは戸惑いながらも、彼女の後を少し遅れてついていった。
許氏の屋敷の近くに、比較的大きな寺があった。春花はあたかも一緒にいるユンが眼に入らないように一心不乱に歩き続ける。寺の山門が見えてきた時、ユンの予想は当たった。
彼女は真っすぐに歩き、山門をくぐり寺の境内に脚を踏み入れた。夏の生温い風に揺られ、風鐸が鳴る音がどこか物哀しげに聞こえる。
このまま宮殿に帰ろうとは言おうに言えないでいると、春花は何を思ったか、一人で勝手に歩いていく。ユンは戸惑いながらも、彼女の後を少し遅れてついていった。
許氏の屋敷の近くに、比較的大きな寺があった。春花はあたかも一緒にいるユンが眼に入らないように一心不乱に歩き続ける。寺の山門が見えてきた時、ユンの予想は当たった。
彼女は真っすぐに歩き、山門をくぐり寺の境内に脚を踏み入れた。夏の生温い風に揺られ、風鐸が鳴る音がどこか物哀しげに聞こえる。