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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第24章 第二部【身代わりの王妃】 ひそやかな恋情
小間物屋にはかつて十七年前、彼が明姫に贈った灰廉石(タンザナイト)のノリゲや簪もあった。でも、彼が春花に贈ったのは菫青石(アイオライト)だった。
彼は無意識の中に考えて別の石を選んでいたのだ。もし彼が春花を本当に明姫の身代わりとしてしか見ていないのなら、明姫に贈ったのと同じ石を選んだはずである。同じ灰廉石を贈り、明姫にそっくりな春花に身につけさせて、明姫をこの手に取り戻したと悦に入って眺めていただろう。
彼は無意識の中に考えて別の石を選んでいたのだ。もし彼が春花を本当に明姫の身代わりとしてしか見ていないのなら、明姫に贈ったのと同じ石を選んだはずである。同じ灰廉石を贈り、明姫にそっくりな春花に身につけさせて、明姫をこの手に取り戻したと悦に入って眺めていただろう。