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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第3章 第一話【桜草】 逢いたくて~恋ごころ~
「どうした? 何かあったのか」
優しく顔を覗き込まれても、明姫はまだ華奢な身体を震わせているだけだ。
「遅いから、もう今夜は来てくれないのだろうと思っていたんだ」
明姫は嫌々をするように小さく首を振った。
「私、私」
「何だ? どうした。そなた、震えているではないか。それに、泣いている!」
ユンの眼に危険な光が瞬いた。
「そなたは泣かせるのは何者だ? 女官同士の苛めに遭ったのか、それとも、怖い尚宮に叱られたのか? いずれにせよ、明姫を泣かせるヤツは私が許さない」
断固とした口調で宣言するユンは今にも本当に飛び出していきかねない剣幕だ。
優しく顔を覗き込まれても、明姫はまだ華奢な身体を震わせているだけだ。
「遅いから、もう今夜は来てくれないのだろうと思っていたんだ」
明姫は嫌々をするように小さく首を振った。
「私、私」
「何だ? どうした。そなた、震えているではないか。それに、泣いている!」
ユンの眼に危険な光が瞬いた。
「そなたは泣かせるのは何者だ? 女官同士の苛めに遭ったのか、それとも、怖い尚宮に叱られたのか? いずれにせよ、明姫を泣かせるヤツは私が許さない」
断固とした口調で宣言するユンは今にも本当に飛び出していきかねない剣幕だ。