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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第25章 第二部【身代わりの王妃】 想いのゆくえ
―怖い。
春花はまた身体が震え出すのを憶えた。
金尚宮が何か言おうとしたその時、庭を走ってくる人影が見えた。
「殿下、大変でございます」
大殿筆頭内官の黄内官であった。
「どうしたのだ」
王が仏頂面で訊ねるのに、黄内官は血の気の引いた顔で口早に言った。
「和寿翁主さまが大変なのです」
「和寿が? 一体、何が起きた?」
和寿翁主というのは直宗の第五王女、四人いる王女の末姫である。仁嬪との間では第三子になる。今年、三歳になると聞いていた。
春花はまた身体が震え出すのを憶えた。
金尚宮が何か言おうとしたその時、庭を走ってくる人影が見えた。
「殿下、大変でございます」
大殿筆頭内官の黄内官であった。
「どうしたのだ」
王が仏頂面で訊ねるのに、黄内官は血の気の引いた顔で口早に言った。
「和寿翁主さまが大変なのです」
「和寿が? 一体、何が起きた?」
和寿翁主というのは直宗の第五王女、四人いる王女の末姫である。仁嬪との間では第三子になる。今年、三歳になると聞いていた。