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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第26章 第二部【身代わりの王妃】 哀しみの果て
妙な根拠のない確信を胸に、春花は懸命に歩いていく。だが、野原は全然見えず、春花は力尽きて、その場にくずおれた。
―誰か、私の手を引いて起こして。
心で強く訴えかけたその時、唐突に眼前に花畑がひろがった。まるで舞台の背景装置が変わるように、一瞬で周囲の風景が変化(へんげ)する。
ああ、綺麗。
頬が濡れているせいで、春花は自分が泣いていることを知る。
それは見たこともない美しい眺めであった。うす青紫の花が所狭しと一面に咲いている。
―誰か、私の手を引いて起こして。
心で強く訴えかけたその時、唐突に眼前に花畑がひろがった。まるで舞台の背景装置が変わるように、一瞬で周囲の風景が変化(へんげ)する。
ああ、綺麗。
頬が濡れているせいで、春花は自分が泣いていることを知る。
それは見たこともない美しい眺めであった。うす青紫の花が所狭しと一面に咲いている。