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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第26章 第二部【身代わりの王妃】 哀しみの果て
 もう二度と無理強いはしないと決めたのだ。永遠にも思える長い時間が流れた後、春花がそっと手を伸ばした。その動きに愕いたのか、桔梗の花に止まっていた蝶がふわりと舞い上がった。
 見上げる二人の頭上高く、蝶はやがて蒼い空に吸い込まれて見えなくなる。
「私が手首を切った理由です」
「それは私がそなたに無理強いをしたから―」
 言いかけたユンを春花が見つめた。こんな風に見つめ合えば、春花はいつも怯えたように眼を逸らしていた。しかし、これは初めて見る強い光を持った瞳だ。
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