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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第4章 第一話【桜草】 蜜月と裏切り
そうして、不埒な小説の写本・複製が闇市で売買され、また新たな販路を通じて若者たちにひろまってゆくという悪循環が続く。ついには一般庶民だけではなく、人々の範となるべき両班までもがこっそりと淫猥本を高値で闇屋から買い上げる―という実にけしからぬ事態にまで発展したとか。
「馬鹿を申すな。私はそのような俗なものは読まぬ」
ユンは眉根を寄せたが、明姫は笑った。
「あら、でも最新の小説には、主人公の少女の恋人が身分違いの結婚を許して貰うために、女の子の実家を訪ねる場面があるのよ」
「それは、主人公の恋人が下僕だからだろう。私は下僕ではない。これでも、れっきとした集賢殿の学者だ」
「馬鹿を申すな。私はそのような俗なものは読まぬ」
ユンは眉根を寄せたが、明姫は笑った。
「あら、でも最新の小説には、主人公の少女の恋人が身分違いの結婚を許して貰うために、女の子の実家を訪ねる場面があるのよ」
「それは、主人公の恋人が下僕だからだろう。私は下僕ではない。これでも、れっきとした集賢殿の学者だ」