この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第4章 第一話【桜草】 蜜月と裏切り
ユンがそれから幾ら話しかけても、明姫は返事しなかった。しばらくそんな状態が続いて、流石に怒ったのかとユンの顔を覗き込んだ時、彼は既に低い寝息を立てていた。
まるで母親の膝で眠っているような、安らいだ安心しきった表情を見ている中に涙がまた溢れてきた。
―ただ母に抱きしめて頬ずりして貰えれば、それで十分だった。
あのときのユンの切なげなまなざしや振り絞るような口調が哀しかった。彼が何故、自分に膝枕をさせたがるのか、今日やっと、その理由が判った。
ユンも明姫の知らない部分を見つけたと言っていたけれど、明姫自身、彼の隠れた脆い部分を見たような気がする。
まるで母親の膝で眠っているような、安らいだ安心しきった表情を見ている中に涙がまた溢れてきた。
―ただ母に抱きしめて頬ずりして貰えれば、それで十分だった。
あのときのユンの切なげなまなざしや振り絞るような口調が哀しかった。彼が何故、自分に膝枕をさせたがるのか、今日やっと、その理由が判った。
ユンも明姫の知らない部分を見つけたと言っていたけれど、明姫自身、彼の隠れた脆い部分を見たような気がする。