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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第4章 第一話【桜草】 蜜月と裏切り
内輪の宴といっても、若い国王や王妃、更には飛ぶ鳥落とす勢いの領議政など錚々たる顔ぶれである。大妃殿の女官たちは普段、気難しい大妃の顔色ばかり窺って過ごしているため、この日ばかりと皆、それぞれに化粧にも余念がない。
万が一にも国王の眼に止まり、お手つきにでもなろうものなら、やがては側室、王の御子の生母ともなれる立身出世の道が拓かれるかもしれない。当代の国王直宗には、まだ一人の御子もいない。ゆえに、目下、王妃初め二人の側室の中の誰が王の第一子をあげるかという大問題が注目されている。
とはいえ、中殿と呼ばれる王妃は既に婚儀を挙げてから七年を経ている。その間、一度も懐妊の兆候はなく、心ない者たちは
―中殿さま(チュンジョンマーマ)には最早、お子がおできにならないのではないか。
と、王妃を石女扱いしている向きもあった。
万が一にも国王の眼に止まり、お手つきにでもなろうものなら、やがては側室、王の御子の生母ともなれる立身出世の道が拓かれるかもしれない。当代の国王直宗には、まだ一人の御子もいない。ゆえに、目下、王妃初め二人の側室の中の誰が王の第一子をあげるかという大問題が注目されている。
とはいえ、中殿と呼ばれる王妃は既に婚儀を挙げてから七年を経ている。その間、一度も懐妊の兆候はなく、心ない者たちは
―中殿さま(チュンジョンマーマ)には最早、お子がおできにならないのではないか。
と、王妃を石女扱いしている向きもあった。