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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第4章 第一話【桜草】 蜜月と裏切り
「ホホ、主上も中殿に劣らずお口が上手い。流石は夫婦、夫唱婦随で美しい」
大妃は鷹揚に頷きながら、満足げな面持ちで庭園をひとしきり眺めた。庭には品種の違う牡丹が数えきれぬほど植わっており、それらが皆、一斉に咲き乱れている。あながち天上の楽園と王妃が称したのもお世辞ばかりともいえないだろう。
と、大妃が突然、思い出したように言った。
「そのように気に入ったのであれば、中殿、幾つかお持ち帰りになると良い」
その言葉に、真実はどうか判らないが、王妃が白皙の面を輝かせた。
「さようにございますか。母上さまのお心遣い、嬉しうございます」
大妃は鷹揚に頷きながら、満足げな面持ちで庭園をひとしきり眺めた。庭には品種の違う牡丹が数えきれぬほど植わっており、それらが皆、一斉に咲き乱れている。あながち天上の楽園と王妃が称したのもお世辞ばかりともいえないだろう。
と、大妃が突然、思い出したように言った。
「そのように気に入ったのであれば、中殿、幾つかお持ち帰りになると良い」
その言葉に、真実はどうか判らないが、王妃が白皙の面を輝かせた。
「さようにございますか。母上さまのお心遣い、嬉しうございます」