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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第5章 第一話【桜草】 別離という選択

既に明姫には王命が出ている。宮殿を出てくる前、私は承旨を呼んで新しい側室を迎えることを内外に公表するよう指示を出してきた。そなたはもう、淑媛に任ぜられた、れっきとした王の妃なんだ」
「―!」
自分が淑媛、王の側室? 俄には信じられないことだが、王であるユン自身が言うのなら間違いはないのかもしれない。
「明姫、私の眼を見て。もう一度だけ訊く。本当に私を嫌いになってしまったのか?」
明姫はおずおずと眼を開いた。烈しさを宿したユンの瞳の底に蒼白い焔が燃えている。
そのまなざしの烈しさに。真剣さに。
また今日、新たに恋しそうになる。
「―!」
自分が淑媛、王の側室? 俄には信じられないことだが、王であるユン自身が言うのなら間違いはないのかもしれない。
「明姫、私の眼を見て。もう一度だけ訊く。本当に私を嫌いになってしまったのか?」
明姫はおずおずと眼を開いた。烈しさを宿したユンの瞳の底に蒼白い焔が燃えている。
そのまなざしの烈しさに。真剣さに。
また今日、新たに恋しそうになる。

