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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第7章 第二話 【桔梗の涙】 異変
「もう半年以上もお渡りがなかったにも拘わらず、何故、殿下が急に思い立ってお越しになられたか。その理由は敢えてお訊ねは致しません。ただ、良人の愛をとうに失った哀れな女の顔をご覧になるために、わざわざご政務でお忙しい御身をお煩わせする必要はないかと存じます」
「それがそなたの応えなのか? 中殿」
王の強ばった声が二人だけの居室に響いた。
王妃は依然として笑んだまま頷いた。
「殿下のお心がここにないと知りながら、殿下をお迎えするほど私は人間ができてはおりません。いまだ、影にはなりきれないのです」
「それがそなたの応えなのか? 中殿」
王の強ばった声が二人だけの居室に響いた。
王妃は依然として笑んだまま頷いた。
「殿下のお心がここにないと知りながら、殿下をお迎えするほど私は人間ができてはおりません。いまだ、影にはなりきれないのです」