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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第7章 第二話 【桔梗の涙】 異変
早足で去ってゆく王の後をぞろぞろとお付きの内官や尚宮、女官が追う。その行列を見送ってから、孫尚宮が室内に戻ってきて気遣わしげに言った。
「中殿さま、一体、殿下は何をお怒りになったのでしょう?」
「私の本音をありのままに申し上げたまでのこと」
王妃は投げやりに言った。
「書見をする気も失せた。お茶を淹れてくれ」
言い終えるか終えない中に、中殿が胸を押さえて、うっと呻いた。
「あ―」
まるで花が散るようにか細い身体がくずおれる。
「中殿さま、一体、殿下は何をお怒りになったのでしょう?」
「私の本音をありのままに申し上げたまでのこと」
王妃は投げやりに言った。
「書見をする気も失せた。お茶を淹れてくれ」
言い終えるか終えない中に、中殿が胸を押さえて、うっと呻いた。
「あ―」
まるで花が散るようにか細い身体がくずおれる。