この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第7章 第二話 【桔梗の涙】 異変
「これは一体、どういうことだ?」
お付きの孫尚宮に訊ねると、彼女は泣きそうな顔で首を振るばかりであった。
「判りません。殿下がお帰りになった後、急に苦しまれ出したのです。酷い嘔吐を繰り返されて」
その傍らでは侍医が慎重に王妃の脈を診ている。
「どうだ? 何か判ったか?」
病人に配慮して小声で問うのに、白髪の侍医は難しげな顔で黙り込んだ。
「何ゆえ、何も応えぬ」
「急性の食あたりかと存じます」
お付きの孫尚宮に訊ねると、彼女は泣きそうな顔で首を振るばかりであった。
「判りません。殿下がお帰りになった後、急に苦しまれ出したのです。酷い嘔吐を繰り返されて」
その傍らでは侍医が慎重に王妃の脈を診ている。
「どうだ? 何か判ったか?」
病人に配慮して小声で問うのに、白髪の侍医は難しげな顔で黙り込んだ。
「何ゆえ、何も応えぬ」
「急性の食あたりかと存じます」