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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第7章 第二話 【桔梗の涙】 異変
ユンは眼を瞑り、やりきれない気持ちで首を振った。今ほど自分が残酷で嫌な人間だと思ったことはない。いや、妻にとっては恐らく、自分はこの国で最も冷酷で情け知らずの男なのだろうと思うと、余計に自己嫌悪に陥った。
彼は昏い瞳を机の蝋燭に向ける。王のみが使用する天翔る龍を浮き彫りにした蝋燭が勢いよく焔を上げて燃えている。
その夜は明姫の許を訪ねる気力もなく、ユンは遅くまで大殿で何をするでもなく茫然と座っていて、黄内官を大いに心配させた。
彼は昏い瞳を机の蝋燭に向ける。王のみが使用する天翔る龍を浮き彫りにした蝋燭が勢いよく焔を上げて燃えている。
その夜は明姫の許を訪ねる気力もなく、ユンは遅くまで大殿で何をするでもなく茫然と座っていて、黄内官を大いに心配させた。