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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第8章 第二話 【桔梗の涙】 陰謀
それに、考えすぎかもしれないけれど、いつかもっと先、明姫のためにユンまで生命を狙われるようなことがあったりしたら? 大妃が実の息子であるユンを殺すことはない。しかし、明姫ばかりを寵愛するユンを疎ましく思った者が朝廷の臣下の中にいるとしたら?
領議政はユンの伯父ではあるけれど、あの男であれば、自らの言いなりになる傀儡の王を立てるためであれば、甥であり娘婿であるユンをも平然と殺すだろう。
即位したばかりの頃は領議政の言いなりになっていたユンも、もう幼い王ではない。二十二歳の早くも〝聖君〟と呼ばれ始めている英明な国王である。
領議政はユンの伯父ではあるけれど、あの男であれば、自らの言いなりになる傀儡の王を立てるためであれば、甥であり娘婿であるユンをも平然と殺すだろう。
即位したばかりの頃は領議政の言いなりになっていたユンも、もう幼い王ではない。二十二歳の早くも〝聖君〟と呼ばれ始めている英明な国王である。