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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第9章 第二話 【桔梗の涙】 対決
「―判った。今日のところは、どこにも行かぬ」
ユンは沈んだ声音で言い、執務机に突っ伏した。
自分の母親が惚れた女をそこまで追いつめたと知り、改めて絶望と哀しみが彼の中でせめぎ合っていた。もう何をどう信じて良いのか判らない。大声を出して暴れ回り、そこら中にあるものをすべて粉々に破壊してしまいたい。それほど気分が荒んでいた。
だが、今この瞬間もたった一人で監察部の取り調べ室に監禁されている明姫のことを思えば、そんな馬鹿げたことができるはずもない。
ユンは沈んだ声音で言い、執務机に突っ伏した。
自分の母親が惚れた女をそこまで追いつめたと知り、改めて絶望と哀しみが彼の中でせめぎ合っていた。もう何をどう信じて良いのか判らない。大声を出して暴れ回り、そこら中にあるものをすべて粉々に破壊してしまいたい。それほど気分が荒んでいた。
だが、今この瞬間もたった一人で監察部の取り調べ室に監禁されている明姫のことを思えば、そんな馬鹿げたことができるはずもない。