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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第9章 第二話 【桔梗の涙】 対決
庭園に佇み自分を見送る人の輪の中に、明姫は伯母の崔尚宮の姿を見た。
―私の小姫や。結局、私はそなたに何もしてやれない。無力な私を許してくれ。
たとえ口には出さずとも、明姫には伯母の声が聞こえるようだった。
伯母上さま、ごめんなさい。もしかしたら、先立つことになるかもしれない不幸を許してね。
明姫もまた崔尚宮に淡く微笑みかける。
「まあ、何て不敵な娘なの! 畏れ多くも中殿さまを毒殺しようとしておきながら、見て、いまだに薄笑いなんて浮かべてるわ」
―私の小姫や。結局、私はそなたに何もしてやれない。無力な私を許してくれ。
たとえ口には出さずとも、明姫には伯母の声が聞こえるようだった。
伯母上さま、ごめんなさい。もしかしたら、先立つことになるかもしれない不幸を許してね。
明姫もまた崔尚宮に淡く微笑みかける。
「まあ、何て不敵な娘なの! 畏れ多くも中殿さまを毒殺しようとしておきながら、見て、いまだに薄笑いなんて浮かべてるわ」