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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第9章 第二話 【桔梗の涙】 対決
これで大妃の陰謀はいよいよ明白になった。自分のせいで、成女官の生命が奪われたのだと思うと、明姫は何ともやり切れない想いになった。もちろん、これは成女官自身が招いた自業自得のなりゆきではあるが、それでも、明姫と拘わることがなければ、彼女にはもっと別の人生が待っていたことだろう。
明姫はふと空を振り仰いだ。
いつしか雲が薄くなってきて、時折太陽の兆が感じられる。今にも降り出しそうなほど暗く淀んでいた空に晴れ間がひろがり始めていた。今、空の大方は蒼く澄んで、十月初旬の秋空が涯(はて)なく続いている。
空が高い。そう、天はあんなにも果てしなく遠く、高みにあるのだ。
明姫はふと空を振り仰いだ。
いつしか雲が薄くなってきて、時折太陽の兆が感じられる。今にも降り出しそうなほど暗く淀んでいた空に晴れ間がひろがり始めていた。今、空の大方は蒼く澄んで、十月初旬の秋空が涯(はて)なく続いている。
空が高い。そう、天はあんなにも果てしなく遠く、高みにあるのだ。