この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第10章 第二話 【桔梗の涙】 切ない口づけ(キス)

余談ではあるが、この後、直宗は義禁府及び拘束されているすべての囚人に供する食事の質をもっと良くするようにと厳命を出している。
「それでも食べないよりはよほど良い。さあ、口を開けて」
ユンが格子越しに木匙を差し入れると、明姫は少し躊躇った後、その木匙を口を含んだ。
いつも牢前にいる牢番の男二人は、どこかに姿を消している。大方、明姫が眠っている間に、ユンが外へ行かせたのだろう。王衣を纏っていないことからも、彼がお忍びでここに来たのであろうとは容易に察せられた。
「ほら、ちゃんと食べられたではないか」
ユンは頷くと、また、ひと匙掬って明姫に食べさせた。
「それでも食べないよりはよほど良い。さあ、口を開けて」
ユンが格子越しに木匙を差し入れると、明姫は少し躊躇った後、その木匙を口を含んだ。
いつも牢前にいる牢番の男二人は、どこかに姿を消している。大方、明姫が眠っている間に、ユンが外へ行かせたのだろう。王衣を纏っていないことからも、彼がお忍びでここに来たのであろうとは容易に察せられた。
「ほら、ちゃんと食べられたではないか」
ユンは頷くと、また、ひと匙掬って明姫に食べさせた。

