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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第10章 第二話 【桔梗の涙】 切ない口づけ(キス)

「殿下と二度目に町でお逢いしたときのことですわ。私の実家へ挨拶に行くと仰せになった殿下をお連れした後、二人で殿下の隠れ家に行きました。そのときも、殿下が私にこうやっておん自ら食べさせて下さいました」
「そういえば、そんなこともあったな」
ユンは何度も頷いた。
「何だか、あの頃がもう十年も前のような気がいたします。もう一度、あの隠れ家に行ってみたい」
懐かしげに言うと、ユンが眉をひそめた。
「明姫。あれはまだ一年余り前のことにすぎにないのに、何故、そのようなことを? そなたの言葉を聞いていると、まるで、もうあそこには二度と行けないと思い込んでいるようだ」
「そういえば、そんなこともあったな」
ユンは何度も頷いた。
「何だか、あの頃がもう十年も前のような気がいたします。もう一度、あの隠れ家に行ってみたい」
懐かしげに言うと、ユンが眉をひそめた。
「明姫。あれはまだ一年余り前のことにすぎにないのに、何故、そのようなことを? そなたの言葉を聞いていると、まるで、もうあそこには二度と行けないと思い込んでいるようだ」

