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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第10章 第二話 【桔梗の涙】 切ない口づけ(キス)

「それに、お慕いするお方には、最後まで無様なところは見せたくないのです。女心なので、お察し下さい」
ひそやかに笑った明姫を、ユンは抱きしめたいと思った。
「何故、そなたは最後などと口にする。そなたを失って、私が生きてゆけるとでも?」
「殿下。どうかお心を強くお持ち下さい。殿下はこの国の王におわします。たかだか女が一人お側から去ったとて、お心を迷わせてはなりません。私の願いは殿下が後々まで語り継がれるような偉大な王となって下さることなのです。ゆえに、殿下にはこれから何があろうと、本来殿下がまっとうなさるべき王としての道を歩いていって頂きたいのです」
「―」
ユンはもう何も言えなくなった。
ひそやかに笑った明姫を、ユンは抱きしめたいと思った。
「何故、そなたは最後などと口にする。そなたを失って、私が生きてゆけるとでも?」
「殿下。どうかお心を強くお持ち下さい。殿下はこの国の王におわします。たかだか女が一人お側から去ったとて、お心を迷わせてはなりません。私の願いは殿下が後々まで語り継がれるような偉大な王となって下さることなのです。ゆえに、殿下にはこれから何があろうと、本来殿下がまっとうなさるべき王としての道を歩いていって頂きたいのです」
「―」
ユンはもう何も言えなくなった。

