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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第10章 第二話 【桔梗の涙】 切ない口づけ(キス)

―明姫は死ぬ気だ。
ユンは唇が切れるほど強く噛みしめた。
自分が側にいればユンを苦しめることになり、引いては無用の流血や犠牲者を出すことになる。そう悟った彼女は今、身を退くことで生命を賭けてユンを守ろうとしている。
「死ぬなどと申すな。先刻も申したであろう。私はこの国の王だ。これは王命だぞ。良いか、死んではならぬ。どのようなことがあっても生きるのだ。最後まで望みを棄てずに、私のためにも生きてくれ」
ユンは涙声で格子に取りついた。
「後世に語り継がれるような聖君になれと言うのなら、そなたが側にいて、それを見届けてくれねばならぬ。どんなに嗤われようと、そしられようと、私は弱い男だ。そなたが側にいなければ、王の道は歩けない」
ユンは唇が切れるほど強く噛みしめた。
自分が側にいればユンを苦しめることになり、引いては無用の流血や犠牲者を出すことになる。そう悟った彼女は今、身を退くことで生命を賭けてユンを守ろうとしている。
「死ぬなどと申すな。先刻も申したであろう。私はこの国の王だ。これは王命だぞ。良いか、死んではならぬ。どのようなことがあっても生きるのだ。最後まで望みを棄てずに、私のためにも生きてくれ」
ユンは涙声で格子に取りついた。
「後世に語り継がれるような聖君になれと言うのなら、そなたが側にいて、それを見届けてくれねばならぬ。どんなに嗤われようと、そしられようと、私は弱い男だ。そなたが側にいなければ、王の道は歩けない」

