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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第10章 第二話 【桔梗の涙】 切ない口づけ(キス) 
 口づけだけなのに、あたかも一糸纏わぬ姿で重なり合って求め合っているかのような烈しく深いキスだった。どれだけの刻が経ったのか。角度を変えては幾度も唇を重ね、互いを貪り奪い合うように舌を絡め合った長いキスが漸く終わり、身体が離れた。
 ユンも明姫も長い情交を終えた直後のように、身体は火照り呼吸は速くなっている。
「感じた?」
 こんな状況なのに、いつも夜を共にしたときのように訊ねてくるユン。明姫が恥ずかしがって身も世もない心地になると、何故か嬉しげに笑う。明姫が恥ずかしそうに頷くと、〝私も凄く良かったよ〟と耳許に熱く濡れた声を注ぎ込む。
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