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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第10章 第二話 【桔梗の涙】 切ない口づけ(キス)
あなたを失って、生きてゆけないのは私も同じ。本当は私だって、死ぬことが怖くないわけじゃない。あなたのいない一面が闇の世界で―いつも見るあの怖ろしい夢のように、何もない世界に逝くのは嫌。
でも、私がいては、あなたが王として歩く道の妨げになってしまう。だから、あなたが幸せになるためなら、私は歓んで生命を差し出すの。大丈夫、あなたは強い男。だから、きっと私がいなくても、立派な王になれる。今は私だけだと言ってくれているけれど、いずれまた、あなたが心から愛せる誰かが現れるでしょう。
薄れてゆく意識の底で、明姫は頬を流れ落ちる熱い涙を感じていた。
でも、私がいては、あなたが王として歩く道の妨げになってしまう。だから、あなたが幸せになるためなら、私は歓んで生命を差し出すの。大丈夫、あなたは強い男。だから、きっと私がいなくても、立派な王になれる。今は私だけだと言ってくれているけれど、いずれまた、あなたが心から愛せる誰かが現れるでしょう。
薄れてゆく意識の底で、明姫は頬を流れ落ちる熱い涙を感じていた。