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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第10章 第二話 【桔梗の涙】 切ない口づけ(キス)
今夜、彼は愛妃の囚われている義禁府に行った。そのときも最初は黄内官は難色を示したのだ。だが、ユンが半ば強引に我意を押し通す形で渋々認めたのだった。
その際、黄内官はユンに真摯な瞳で告げた。
―殿下、もし殿下が淑媛さまを心から大切に思し召すのなら、どうか今はご自重なさいませ。
彼は言ったのだ。淑媛が何故、今のように窮地に追い込まれたか? それは国王の寵愛が彼女一人に集まりすぎたせいだ。仮にユンがもう少し明姫の立場を慮って、彼女だけに溺れず、形だけでも他の妃たちに対して公平に見えるようにふるまえば、大妃がここまで明姫を憎み排除しようとすることもなかったろう、と。
その際、黄内官はユンに真摯な瞳で告げた。
―殿下、もし殿下が淑媛さまを心から大切に思し召すのなら、どうか今はご自重なさいませ。
彼は言ったのだ。淑媛が何故、今のように窮地に追い込まれたか? それは国王の寵愛が彼女一人に集まりすぎたせいだ。仮にユンがもう少し明姫の立場を慮って、彼女だけに溺れず、形だけでも他の妃たちに対して公平に見えるようにふるまえば、大妃がここまで明姫を憎み排除しようとすることもなかったろう、と。