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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第10章 第二話 【桔梗の涙】 切ない口づけ(キス)
「まったく、流石は国王殿下を誑かした稀代の妖婦だけはある。虫も殺さぬような儚げな風情をしながら、末恐ろしき娘よ」
義禁府長がおもむろに傍らの副官に指図した。
「始めよ」
「はっ」
副官が更に合図を送ると、明姫の両側にいた獄吏が頷く。刹那、両脚の間に挟まれた拷問具が太腿を無理にこじ開け、堪らない激痛が走った。
「―!」
痛い―。あまりの激痛に、眼の裏が真っ白になり、明姫の眼に涙が滲んだ。まるで股を裂かれてしまうかのようだ。だが、けして悲鳴など上げるものか。泣いて助けなど請うものか。
義禁府長がおもむろに傍らの副官に指図した。
「始めよ」
「はっ」
副官が更に合図を送ると、明姫の両側にいた獄吏が頷く。刹那、両脚の間に挟まれた拷問具が太腿を無理にこじ開け、堪らない激痛が走った。
「―!」
痛い―。あまりの激痛に、眼の裏が真っ白になり、明姫の眼に涙が滲んだ。まるで股を裂かれてしまうかのようだ。だが、けして悲鳴など上げるものか。泣いて助けなど請うものか。