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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第11章 第二話 【桔梗の涙】 しばらくの別離
こんな冷酷な男が自分の伯父だと思うと、虫酸が走りそうになるが、同時に中殿への憐憫の情を憶えずにはいられなかった。まさか、今回、中殿に率先して毒を飲ませたのがその父親と叔母であるとは誰が考えるだろう。
領議政にとっては、娘でさえ、いつでも切り捨てられる手駒にすぎないのだ。この先、中殿が懐妊する見込みは薄いと判った今、情など二の次なのだろう。領議政にすれば、王子を生まない実の娘より、国王の心を動かして王子を生んでくれる養女の方がよほど大切なのかもしれない。
ユンは軽く眼を瞑った。いや、今は私情に囚われているときではない。彼は眼を見開くと、腹に力を込めた。いよいよ老獪なこの伯父と真っ向からぶつかる瞬間が来たのだ。
領議政にとっては、娘でさえ、いつでも切り捨てられる手駒にすぎないのだ。この先、中殿が懐妊する見込みは薄いと判った今、情など二の次なのだろう。領議政にすれば、王子を生まない実の娘より、国王の心を動かして王子を生んでくれる養女の方がよほど大切なのかもしれない。
ユンは軽く眼を瞑った。いや、今は私情に囚われているときではない。彼は眼を見開くと、腹に力を込めた。いよいよ老獪なこの伯父と真っ向からぶつかる瞬間が来たのだ。