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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第11章 第二話 【桔梗の涙】 しばらくの別離
廊下に控えていた尚宮や女官たちは肩をすくめて顔を見合わせて頷き合った。その女官たちの中にはむろん崔尚宮もいた。皆、大妃のヒステリーはいつものことなので、彼女たちは慣れている。
「あの者の生む子が国王になるなど、あってはならないことだ」
甲高い声はキンキンと廊下にまで響き渡った。
だが、このまま野放しにしていては、やがて月満ちれば、淑媛は王の御子を生む。万が一、その御子が王子であったら?
駄目だ、到底このままにはしておけない。大妃はまた苛々と爪を噛んだ。
「あの者の生む子が国王になるなど、あってはならないことだ」
甲高い声はキンキンと廊下にまで響き渡った。
だが、このまま野放しにしていては、やがて月満ちれば、淑媛は王の御子を生む。万が一、その御子が王子であったら?
駄目だ、到底このままにはしておけない。大妃はまた苛々と爪を噛んだ。