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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第11章 第二話 【桔梗の涙】 しばらくの別離
王妃は言うだけ言うと、立ち上がった。
「ご公務でお忙しいときに、失礼致しました。とにかく、これで母上さまの御意はお伝え致しました。私は先刻も申し上げたように、淑媛を憎いとも追い出したいとも考えておりません。ただ、大妃である母上さまから、このようなご意見が出た以上、内命婦を取り仕切る後宮の長として、見過ごしにはできません。私や母上さまの体面も願わくばお考え下さり、ご決断下さいませ」
背中を向けた王妃に、ユンは声をかけた。
「今からでも遅くはない。そなたが次の王の母となっても良いのだぞ?」
王妃のたおやかな歩みが止まった。彼女は振り返ることなく、前を向いたまま言った。
「ご公務でお忙しいときに、失礼致しました。とにかく、これで母上さまの御意はお伝え致しました。私は先刻も申し上げたように、淑媛を憎いとも追い出したいとも考えておりません。ただ、大妃である母上さまから、このようなご意見が出た以上、内命婦を取り仕切る後宮の長として、見過ごしにはできません。私や母上さまの体面も願わくばお考え下さり、ご決断下さいませ」
背中を向けた王妃に、ユンは声をかけた。
「今からでも遅くはない。そなたが次の王の母となっても良いのだぞ?」
王妃のたおやかな歩みが止まった。彼女は振り返ることなく、前を向いたまま言った。