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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第11章 第二話 【桔梗の涙】 しばらくの別離
ユンはひと息にクイと煽る。明姫が再び盃を満たそうとするのを、彼は手で制した。
「今宵はもう呑まない」
「さようにございますか」
明姫は頷き、素直に差しのべた酒器を引っこめた。
「何故か、今夜はそなたと出逢った頃のことばかり思い出されてならない」
ユンの言葉に、明姫も頷いた。
「私もです、殿下。町の隠れ家でこうやって二人だけでお酒を飲んだり美味しい料理を頂いたりしました」
「そうだったな」
ユンは感慨深そうに頷き、遠い瞳になった。あの頃のことを思い出しているだけにしては、あまりに沈んだ眼をしていることが気になる。
「今宵はもう呑まない」
「さようにございますか」
明姫は頷き、素直に差しのべた酒器を引っこめた。
「何故か、今夜はそなたと出逢った頃のことばかり思い出されてならない」
ユンの言葉に、明姫も頷いた。
「私もです、殿下。町の隠れ家でこうやって二人だけでお酒を飲んだり美味しい料理を頂いたりしました」
「そうだったな」
ユンは感慨深そうに頷き、遠い瞳になった。あの頃のことを思い出しているだけにしては、あまりに沈んだ眼をしていることが気になる。