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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第12章 第三話 【観玉寺の廃妃】  再会 
 二人からさほど離れていない数歩先を一人の娘が横切ってゆく。艶やかな漆黒の髪を後頭部で結い、地味な木製の簪を挿し、粗末な木綿のチマチョゴリを纏っている。衣服はきちんと手入れの行き届いた清潔なもので、質素ではあるが、控えめな薄紅色のチマは若い彼女にはよく似合っていた。
「明姫―」
 ユンの呟きにはあらゆる感情がこめられていた。二年の間、よくも顔を見ないで耐えられたものだと思わずにはいられない。彼の今なお焦がれて止まない想い人は、この二年で更に美しく臈長けた女人へと成長していた。
 彼が最後に見た明姫は、まだふっくらとした丸みの残る頬に少女のあどけなさを残していた。だが、今の彼女はどうだろう!
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